story

あれから半年――

痴漢愛好者たちの闇組織
『蛮痴漢(ばちかん)』の拠点は爆破された。

だが、『蛮痴漢』は滅びていなかった。
痴漢たちは死んでいなかったのだ。
再び蘇った蛮痴漢は、この街で
『暴爛痴(あばらんち)』の開催を告げる。
それは、生き残りを賭けた
痴漢たちによるバトルロイヤル――

闇に蠢く痴漢たちの影が、蔵部の街を包み込む。
妹・しずくの望みを叶えるため。
そして痴漢としての自分の存在を証明するため。
己の中に、熱い血が滾るのを感じながら
喜壱は再び、蛮痴漢の触り手として
痴漢たちの戦いの中に身を投じる事を決意する。
研ぎ澄まされる喜壱の『痴漢七十二指法』
だが、彼の前に
蛮痴漢の誇る最強痴漢集団『黒ノ衆(くろのす)』
そして、痴漢絶滅を掲げる
国際痴漢撲滅機構『イノセンス』の
断罪官たちが次々と立ちはだかる。
満員電車に蔓延るは
異界異形の痴漢たち。
レンズに痴態を晒すのは
淫欲劣情に溢れる女たち。
喜壱の熱い掌が。
喜壱のしなやかな指先が。
いま再び、その秘められし欲望の扉をこじ開ける。

――箱舟が辿り着く先は、
希望か、絶望か、痴漢か。
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